『鬼滅の刃 無限列車編』を見て一滴も涙が出なかった私は冷徹なのか。

ママ日記

鬼滅の刃がものすごく人気であることは知っていたのですがなかなか見る機会がなく、このまま映画もスルーして終わるのかなーと思っていたのですが、ビジネス界でも鬼滅を分析する記事が出てきたりして、流石に見ておかないと話についていけなくなる!娘達とも話ができなくなる!と公私共に危機を感じ見に行くことにしました。

感動して涙腺崩壊するというのも一つの楽しみにしていました。

見に行った結果

全く涙が出ませんでした。我慢してって言うのではなく、どこで泣くのかもわからないほどに。

涙腺崩壊系映画では結構泣いてきたのに、これほどまでに泣けなかったのが不思議で、事前情報(炭治郎と禰豆子の兄弟が鬼を退治する物語という程度)が少なすぎたからかと思い、Netflixで一気見しました。

一気見することで映画を見ているときに感じた「猪の面をかぶったキャラクターは、猪の面をかぶった人間でいいのか、猪人間なのか」という疑問が色々分かるようにはなりまし、ジャンプ漫画によくある、「友情・努力・勝利」の3つがしっかり盛り込まれた漫画だということはわかりましたが、どこで涙すればよかったのか、また、なぜこれほどまでに人気になった理由が分かりませんでした。

アニメではなく、作者の意図をしっかりくみ取れる漫画を読むべきか、、、と考えましたが、(この時点でまんまとはめられている気もします・・!笑)

ほかの人の解説記事を読んでみることにしました。

泣き所と人気になった理由

鬼滅の刃がほかの作品と異なる点は、「死」に向き合うシーンが非常に多いことだ。ストーリーにおいて重要な役割を果たすキャラクターが次々と死んでいき、生きる価値を読者に考えさせる。キャラクターの死を含め、緊張と緩和が目まぐるしく繰り返されることも、読者をどっぷり鬼滅の刃の世界観にのめり込ませることにつながっている。

鬼滅の刃、爆発的ヒットの理由4つ https://the-owner.jp/archives/4496

「死」に向き合うシーンが非常に多く、せつない。

「ONE PIECE」との比較が分かりやすいと思うのですが、ONE PIECEって戦った敵キャラが「死ぬ」ということは少ない気がします。ちなみに私は「ONE PIECE」が好きです。サンジの「クソお世話になりました」では感動して泣いたこともあります。
味方キャラでも死闘の上で死ぬというシーンは少なく、記憶に残っているメインキャラの死は、レッドと白ひげです。

気になって調べてみたら、作者のこだわりで死なせないのだとか。(詳しくはこちら)

それに比べ、鬼滅は初めに主人公の家族が亡くなるというところからのスタートですし、倒した鬼は消滅します。しかも単に死ぬのではなく、死ぬ間際に鬼のセリフが描かれるシーンが多いです。この死のシーンについてが人気の理由だという記事が多くありました。

私が惹かれた理由は、わりと簡単である。せつないからだ。
人の生死と運命を正面から描き、生きることのせつなさを訴えてくる。そこに、はまった。この優れた漫画の特徴は、すべての登場人物を丁寧に描いているところにある。すべてに作者の感情が通っている。それは一回きりしか登場しない者や鬼たちでも同じである。
人間の敵である鬼の、その最後の瞬間の感情がたびたび描かれている。「身勝手で自分のことだけを考えている鬼たち」でさえ、その存在が消えゆくときには、いろんな感情を抱いている。
おれは死ぬのか、と滅する直前の鬼が気づく。このまま人を喰らいつづけてノウノウと生き続けるつもりだった鬼が、突然、とてつもなく強い剣士によって命を絶たれ、そんなことは予想もしてなかった、と驚いている。その鬼の感情に胸が揺さぶられるのである。

『鬼滅の刃』はなぜ現代人をここまで惹きつけるのか。「失っても戦う物語」のもつ圧倒的魅力
https://news.yahoo.co.jp/byline/horiikenichiro/20200228-00165134/

たしかにせつなさを感じました。根っからの悪という鬼ばかりではなく、心の弱さや、心が弱くなってしまったときに鬼になってしまったというような鬼も居て、その鬼が死ぬシーンはせつなさを感じました。

この作品の特異性として挙げたいのが「寄り添う死者」の存在である。主人公・兄妹がピンチに瀕(ひん)する度に、鬼に殺された母が、弟達が、側(そば)にきて「生きて」と鼓舞する。死者は鬼が消滅する時にも現れる。かつて自分が大事にしていた人に寄り添われて鬼は人間に戻る。地獄に落ちようとも、赦(ゆる)されるのだ。これには読者も救われる。

鬼滅の刃」驚異的ヒットなぜ? 専門家が読み解く https://style.nikkei.com/article/DGXKZO66791520Q0A131C2BE0P00/

この記事で泣き所が分かりました。

映画、無限列車編では、煉獄さんの母が煉獄さんの死闘をずっとサポートしてました。そして死ぬ間際の、煉獄さんの母のセリフが泣き所ですね。

『生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者はその力を世のため人のために使わねばなりません』
『天から賜りし力で人を傷つけること私腹を肥やすことは許されません』
『弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です』
『責任を持って果たさなければならない使命なのです 決して忘れることなきように』

こんな名言を言ったあとに、『母はもう長く生きられません 強く優しい子の母になれて幸せでした あとは頼みます』

ここですね。記事を書いていて少しウルっときました。映画を見る前に鬼滅をもう少し知っていたら私も劇場で泣いたかもしれません。

そして人気になった理由については、メディアミックスの成功が挙げられていました。

通常、一週間に30分のアニメと19ページマンガでは、アニメの方がストーリーの進行が早い。最初は問題なくとも、徐々に原作に追いつくにつれて、ペースを合わせるため無理な引き延ばしや原作にない追加エピソードなどが挿入されることが多かった。これがあまりうまくいっているとは言えず、マンガの人気とは別にアニメの人気は萎んでいくというのがよく見るジャンプアニメのパターンだった。


『鬼滅の刃』は偶然か戦略かはわからないが、ブームをピークアウトさせず持続させることに成功した。アニメの放送開始は2019年4月であるが、それとほぼ同時にマンガで本作の宿敵である鬼舞辻無惨との最終決戦が始まったのである。物語の内容的に、この戦いの終了と同時に、完結であることは予想されていた。そうなれば、アニメのファンや完結したら読もうと思っていた層も注目する導線が出来上がる。アニメの終了時の9月には巻を追うごとに戦いは激しくなり、単行本が発売される度にニュースになる状況となっていた。
『鬼滅の刃』はアニメ放送前は累計350万部だったが、アニメ放送終了時に1200万部。そこから、2020年1月に2500万部まで伸ばしている。その後、5月に連載完結。10月に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開。12月に単行本完結と話題を提供し続けた。

鬼滅の刃はなぜ売れたのか https://www.jagat.or.jp/archives/81534

アニメが始まったタイミングで漫画が最終回を迎えたんですね。
私は漫画で好きでもアニメで見ない作品が多いのですが、『ペースを合わせるため無理な引き延ばし』はとても感じていたので、ああだから見なかったのかと、自分が好きな漫画をアニメで見ない理由もわかりました。ちなみに、映画化されたり、ドラマ化された場合はほぼ見てきました。ドラマにも映画にも変に間延びさせずに、好きな漫画をより好きにさせてもらえるものになっているからだと思いました。

一緒で好きだった漫画も、どんどん間延び間を感じます。読む側はどんどん成長していくので、すこしずつ価値観が変わって離れていく。でもメイン読者層は常に若返る。離れた人がいても入ってくる人がいる。だから終われない。鬼滅が強烈な人気があるにもかかわらず、23巻で終わったのには潔さを感じますが、この23巻というのが、一気読みすることもできる巻数ですし、その時面白いと思った価値観のまま終われるのもいいですね。

そう考えると、非現実の世界の戦闘系の漫画は「終わりがある」のがよさそうです。非現実の世界にいつまでも浸っていられない(成長する)また、主人公がピンチになるけど、メンバーの助けを借りて、また修行をして復活して倒すというパターンに飽きてしまうのかなと思いました。

逆に日常の世界の漫画、クレヨンしんちゃん、サザエさん、ドラえもんなどは日常の世界を描いていて、その日常もしっかりと時代に合わせて「チューニング」されていきます。あと、非現実の世界のものは、「熱狂的にドはまり」する類いのものが多いですが、クレヨンしんちゃん、サザエさんはドはまりするような漫画、アニメではないので冷めにくい。というのもある気がします。

その他、このような分析もありました。

誤解を招かずに伝えるのが難しいのだが、作者の吾峠呼世晴氏は典型的な「描きたいことに画力(表現力)が追いついていない作家」である。マンガを読んでみると、すごくいいシーンなのにさらっと終わってしまっていることがよくある。

評家やコラムニストの言葉で、吾峠氏の設定の妙や、テーマ性に気づかされることも多い。ただそれは、マンガだけでは大勢には届かなかったのではないだろうか。ユーフォ―テーブルのアニメ版では練りこまれた演出で、良いシーンが力を込めて描かれている。それによって、元々あった原作の魅力が明確になっている。その意味で、鬼滅の刃は(ハイクオリティな)アニメ化による伸び代が多かったのだと言えるだろう。

鬼滅の刃はなぜ売れたのか https://www.jagat.or.jp/archives/81534

漫画を読んでいないのでここはわかりませんが、人気の理由を知るために、アニメを一気見したこと、そして漫画を読まずに解説記事を読んでよかったと思いました。笑

ユーフォ―テーブルさんのほかのアニメにも興味がでたので過去の作品見てみましたが、普段アニメを見ない私にはわかりませんでした。。。http://www.ufotable.com/works/index.html

好きな言葉・シーン

みんなが泣く泣くといったシーンで泣けなくてその原因が探りたくて解説記事まで読み漁った私はすでに鬼滅ファンですね。そんな私が鬼滅の好きな言葉・シーンを最後にお伝えして終わりたいと思います。

鬼滅には名言が多いので、名言集のまとめサイトがたくさんあるほど!なのですが、私の中の一番は映画の煉獄さんの言葉です。

猗窩座との死闘の中で「老いることなく、強くなり続けるために鬼にならないか」と誘われるのですが、それを

『何度でも言おう
 君と俺とでは価値基準が違う
 俺は如何なる理由があろうとも
 鬼にならない』

と返すんですね。

これを言われたあとも、猗窩座は誘うのですが、煉獄さんはブレません。炭次郎もそうです。このような鬼滅のキャラクターの軸の強さが人を引き付けるんだと思いました。
と同時に、炭次郎が自分で自分を鼓舞する声もミソですね。

自分が弱くなった時、ピンチなとき楽なほうに流れたくなりますが、そこを流れず自分の軸を持ちまっすぐ進んでいく人を応援したくなる気持ち、とても分かります。

人生は「選択」の毎日です。これを自分の軸に従って判断していける人というのはそんなに多くないようです。そもそも自分の軸がない人も多い気がします。

頑固にならない、柔軟な軸をもってこれからも人生の選択をしていきたいと思います。

この記事を書いた人

東証一部上場企業のコンサルティング会社に勤務する3児の母(7歳と4歳の娘2人と0歳の息子1人:2022年6月現在)。仕事と家事と育児をどう心地よくするかを追求するのが好き。仕事は趣味の一つと捉え、他にも健康・資産運用・ボディメイク・旅行が趣味。

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