私の務める会社には、社内起業制度があります。制度といってもまだ評価制度にそのコースが加わっただけで、チャレンジする人も少なく、正直うまく回っている制度ではないと思います。(爆)
ただ、「やりたいことを給料をもらいながらやれている」というところではとても感謝していますし、一人でやっていた時は評価制度に何も文句はありませんでした。
しかし、徐々にお客様が増えてきて、私の「やりたいこと」についてきてくれる仲間ができてきました。またやりたいこともっと加速してやるために、もっと顧客への価値を大きくするためには、もっと仲間を増やす必要があるという課題出てきました。
そして、その仲間を増やすには、「自分もやりたい」と思ってもらうビジョンと「やってもいいな」と思える評価制度がめちゃめちゃ重要だということがわかりました。
私はやりたいことをやれれば、評価の方は諦めてもいいや。みたいな考えでしたが、私のやりたいことに賛同するメンバーは、それだけではついていけません。自分のやりたいことに繋がっているのはもちろん、それに対して適切な評価がついてこないと、やりたいけどやれない状況になり、離れて行かざるを得ない。ということになります。
これを昨年末に強烈に感じ、改めて会社の評価制度を熟読したら、数々の違和感を覚え、評価制度の意味合い・作り方について勉強することにしました。
このような背景のもと、今回の本「ザッポス伝説2.0」を読んでみました。
以下私の備忘録です。
ザッポス伝説2.0に書かれていること
ザッポスがホラクラシー経営、ティール組織に向かっていく過程において、ホラクラシーで悩んだ社員や、ティールオファーでやめた社員さんの生の声が書かれている。
エピソードの1つ:赤い靴作戦
カスタマーサービスにかかってきた電話を聞き返して、お詫びをしたエピソード。
顧客との通話を無作為に検証するチームがあり、そのチームには「対応としては問題ないが、必ずしも「素晴らしいサービス」を提供していない時に、その担当者に助言をすることを仕事としている。
Good(良いこと)はGreat(素晴らしいこと)の最大の敵である。
素晴らしいことが起こる可能性は、コア・バリューから生じる結果
ザッポスの文化の核心は顧客を商取引の源を遥かに超えた存在と考えること。
私たちの企業文化が奇跡を起こすのは顧客を人として見ているからです。顧客を家族として、自分の隣人や友人として、同僚として見ているのです。私たち自身として見ているのです。私たちと顧客にとっての最善の関係は互いに相手と真摯に向き合い理想的な状況で人としてふさわしい形で接することです。つまり心を込めて最善を尽くしすべての顧客のためにどんな時もやるべきことをやるそういうことです。
ザッポス・コアバリュー
1 サービスを通してワオ!という驚きの体験を届ける。
・自分の自己度ではないと思っても、力を貸す。カバナンスミーティングで問題点を共有するまでは、ここの行動で対応しても構わない
・すべての人に、あらゆる所に「ワオ!」を届ける
・誰かに「ワオ!」と声に出して言わせる
・ザッポスにとって最善の利益は何かということを常に考えながら、顧客にとって最もポジティブな結果を引き出すためのやり取りを組み立てる。
・顧客=ザッポスのサイトで買い物をする人、取引業者、同僚、就職希望者、とにかくすべての人
2 変化を受け入れ、変化を推進する
・独自の視点で考える
・現状や常識に異議を唱える
・混乱を心地よいと感じる
・全面的に実行する前に、新しいアイデアを試す。襲撃、それから大砲だ
3 楽しさとちょっと変なものを想像する
・平凡を非凡に変える
・明確な自己意識を持つ
・ちょっと変なところをさらけ出す。
4 冒険好きで、独創的で、オープンマインドであれ
・リスクを取ることを恐れない
・より大きく考える
・失敗することを歓迎する(そして失敗から学ぶ)
・起業家にように振る舞う
・ロール(役割)や仕事について、サークルの目的と会社の目的を支えるような、最善の決断を下す。金銭的なことは考えるべきではなく、決定的な要因でもない。
5 成長と学びを追求する
・物事の仕組みに興味を持つ
・飽くなき向上心を持つ
・独学して自己評価をする
・互いに刺激し合い、助言しあう
6 コミニケーションにより、オープンで誠実な人間関係を築く
・ほかの人にアイデアやインプットを進んで聞く
・ポジティブな情報もネガティブな情報も透明にする
・人とつながりをもって、違いを理解する
・テンション(理想と現実の間のひずみ)について話し合い、仕事に優先順位をつける。つまりホラクラシーのルールに従って行動し、ホラクラシーの憲法に従い、ホラクラシーを成立させるために最善を尽くす
7 ポジティブなチームとファミリー精神を築く
・同僚以上の存在になる
・有意義な人間関係を築く
・チームのことを考えるということは、メンバーのことを考えるということ
・会社が主催・後援するイベントに参加する(目標はすべての時間の20%、すべてのイベントの20%)
・同僚があなたにいつでも声をかけられるようにする
・模範を示し、有限実行。
8 より少ないものからより多くの成果を
・創意工夫でピンチを乗り切れ
・より少ないものでやり遂げる
・行動あるのみ(勤勉は宝だ)
・ホリデー・シーズンにヘルパーに入ったら、8時間電話対応して顧客を手助けする
9 情熱と強い意志を持て
・許可を求めるのではなく、自分で決めて行動し、後で許しを請えばよい
・「それはできない」という言葉を決して信じない
・私たちのビジョンにとって正しいことのために、とことん戦う
・私たちのコア・バリューに基づいて判断を下し、私たちの文化を何よりも大切にする
・ザッポス・カルチャーを守る
・グラスグロッグ(ホラクラシーを支援するシステム)に示されている取締役会の目的に沿って行動する
・私たちの4つのC衣料、カスタマーサービス、会社のカルチャー、コミュニティをサポートし活気づける
10 謙虚であれ
・実績に対する自信は心の中で
・責任を持ち、間違いを認める
・自分が聞いてもらう前に、相手に耳を傾ける
感想
自分の会社の制度に疑問を持って読んでみましたが、今の制度は多少おかしなところはあれども、大筋では間違っていないものかもしれないと思えました。
ホラクラシーでもティール組織でもなく、ピラミッド組織でありますが、チーム単位の損益は昔から見える化されており、会社に「こういうことをやったほうがいい」と言える制度や、受け取ってGOを出す機関もある。
ただ、「経験が少ない」「成功事例がない(少ない)」ということで、会社も調整中なのかなと思いました。
会社の調整をただ待つ必要もない。とも思えたので、私が責任を負える範囲内で自分達の理想の働き方・生き方ができるように働きかけていくのが私のロールなんだなと思いました。
評価制度について書かれた本ではなりませんが、「顧客」に好かれる会社を作りたいと思っている人んは必読書です!また、「働く」を楽しみたい方にもお勧めの本です。こんな会社で働きたいってきっと思うはずです。
私も今のチームを応募者が殺到するチームにしていきたいと思います。
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